「睡眠不足は美容の敵」とよく言われますが、これは単なる迷信ではありません。美肌を作るためには「質のいい睡眠」をとる必要があります。

睡眠をしっかりととっていないと、いくらスキンケアを頑張っても、肌のコンディションは悪化するばかりです。特に現代人はストレスなどのせいで質のいい睡眠をとっているとは言いがたく、肌が荒れてもそれを睡眠時に修復することができません。

肌の調子が悪い時に無理なスキンケアをすると肌に負担がかかり、さらに肌が荒れていくという負のスパイラルに陥っています。

今回は、睡眠不足と肌の関係や、質の良い睡眠をとるためにやるべきことをご紹介します。睡眠不足が続いている方や、肌トラブルに悩まされている方は必見です。

睡眠不足と肌状態の関係

肌のターンオーバーが正常に行われると古い角質が剥がれ落ち、下から新しい肌が現れます。ターンオーバーが滞りなく行われることで、肌の老廃物がなくなり、くすみのない美肌を作ってくれます。

肌のターンオーバーが特に活発に行われるのが、睡眠時です。眠っている時に成長ホルモンが分泌され、傷ついた肌細胞を修復してくれます。

古い角質が剥がれ落ちるだけでなく細胞の修復も行われるため、より美しく健康的な肌にしてくれます。特に肌荒れを起こしている場合は、成長ホルモンが出ている時の細胞の修復が大切になってきます。

成長ホルモンをしっかり分泌するには、質のいい睡眠をとる必要があります。

質の良い睡眠とは

美肌のためには質のいい睡眠が必要なことは分かりました。

では、「質のいい睡眠」とは具体的にどのようなものをいうのでしょうか？

深い眠りにつく

日本人は世界的に見ると、睡眠時間が短めであるといわれています。しかし大事なのは睡眠時間の長さではなく、睡眠の深さです。

眠っている時は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。深い眠りとされるノンレム睡眠ですが、特に深いのは1回目のノンレム睡眠です。

この1回目のノンレム睡眠が無事に訪れれば、質の良い睡眠をとれていると言えるでしょう。

1回目のノンレム睡眠は、眠ってから約3時間後にやってきます。もしも眠りに入って2時間後くらいに目が覚めてしまう場合は、一番深いノンレム睡眠が訪れていない可能性が高いです。

成長ホルモンが分泌されている

成長ホルモンが肌細胞を修復してくれるというのは前述したとおりですが、ただ眠っただけでは成長ホルモンが十分に分泌されません。

成長ホルモンは、眠りについてから2～3時間後に分泌されます。そのため、夜中に何回も目覚めてしまう場合は成長ホルモンの分泌量が十分ではない可能性があります。

成長ホルモンは肌の修復だけでなく、疲労回復の役割も担っています。成長ホルモンがしっかり分泌されると、疲れがとれて朝すっきり目覚めることができます。

眠りの質を高めるためにやるべきこと

夜中に何回も目覚めたり寝入ってから2時間後に起きてしまったりする場合は、眠りの質を高めるための対策をする必要があります。

簡単にできる対策方法をご紹介します。

ホットドリンクを飲んでからベッドに入る

身体を内側から温めると自然と眠たくなってきます。寝つきが悪いという人は、暖かい飲み物を飲んでから寝るようにしましょう。

一番おすすめなのは白湯です。胃に負担がかからずカロリーを気にする必要もないので、誰でもすぐに試すことができます。

身体を隅々まで温めてくれる生姜入りのドリンクもおすすめです。市販の生姜湯はお手軽で美味しいのが魅力ですが、砂糖が入っているものは虫歯やカロリーの心配があるので、砂糖なしのものを選ぶようにしましょう。白湯に生姜パウダーを入れただけのものでも十分効果があります。

ハーブティーは温かいだけでなくリラックス効果もあるのでおすすめです。特にカモミールティーは昔から不眠に効果があることで有名で、リンゴのような風味なので初心者でも飲みやすいハーブティーです。

アロマテラピーをする

アロマポットとオイルがあれば、自宅でも手軽にアロマテラピーが楽しめます。眠りにつく前にアロマテラピーでリラックスすれば気持ちが癒されて眠りにつきやすくなります。

ラベンダー、ベルガモット、ネロリ、サンダルウッドは特にリラックス効果が高いとされています。

アロマポットなどの用意が大変だと感じる場合は、薄めたオイルが入ったアロマスプレーを利用してもいいでしょう。寝具などに直接吹きかければ、眠っている間でもリラックス効果が持続します。

眠る前にスマホやパソコン画面を見ない

眠気を呼ぶホルモンは、夜になると分泌量が増え、自然な眠りへと誘う働きをしています。ところが明るい場所にいると分泌量が減ってしまうのです。

現代人の生活に欠かせないスマホやパソコンの画面は、実はかなり強い光を発しています。暗い部屋で電源を入れると、懐中電灯の代わりになるくらい光量が強いのが分かると思います。そのためスマホなどの画面を長時間見ていると眠気を呼ぶホルモンが分泌されにくくなるのです。

就寝前にスマホ画面を見るのはできるだけ避けるようにしましょう。

セロトニンを増やす

幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンには、リラックス効果があります。ストレスの多い現代人は、イライラしたり悲しくなったりして、メンタルが不安定な日も多いと思います。そんな状態ではゆったりと眠りにつくことはできません。

セロトニンは、トリプトファンという成分をもとにして体内で生成されます。トリプトファンは卵やバナナなどに多く含まれるので積極的に摂るようにしましょう。

まとめ

たかが睡眠、されど睡眠。質の良い睡眠をとることで肌のコンディションが大きく左右されることが分かったと思います。美肌のためには、深い睡眠をとるようにしましょう。

ストレスが溜まり精神がたかぶったままだと、せっかく眠りについても途中で目が覚めてしまうことがあります。それだと質のいい睡眠とは言えないので、眠る前にリラックスできるように様々な方法を試してみて下さい。温かい飲み物を飲んだり普段の食事内容を見直したりすれば、睡眠の質が随分と変わるはずです。

美容のためには質のいい睡眠がとても重要です。美肌を目指すなら、日々の睡眠についてもしっかりとケアしてみて下さいね！